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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2022.02.03
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気がついたら2月に突入。てっきり1月中にオサノートのコラムの担当が回ってくると思っていたので、お正月のネタを準備していました。日にち的に、旧正月に近いと言う事でお正月ネタを話しちゃいます。

磯村家のおせち料理は、毎年作ります。
ちょっと大袈裟に言い過ぎですが…代々受け継がれてきた京都のおせち料理をベースに、時代に合わせて少しずつアレンジが加わったおせち料理を作っています。
小さい頃は三ヶ日毎日食べると飽きた記憶がありましたが、いつの頃か楽しめるようになりました。おそらくお料理を手伝うようになってからかなぁと今になって思います。

お手伝いをする時、私は基本、皮剥き役と味見役。
金時人参、くわい、蓮根、百合根、蕗、牛蒡などなど剥くものはたくさんあります。「今年の蕗は、皮と筋を剥くと水が滴るし、透き通っていて綺麗」とか「今年の小芋は、天候が悪かったからか、赤い傷が多い」という風に、目で見て指で触れて感じ、そして味見をして味覚で感じることが、楽しみに変わりました。
上海滞在中は、春節(旧正月)に一時帰国していたので、おせち料理は買える食材だけですが、自分で作りました。しかし、中国のくわいは日本の3倍の大きさで、割らないと(縁起が悪いですが…)なかなか味が染み込まなかった記憶が(笑)
そんな風に今では、毎年おせち料理を母と一緒に作り、楽しんでいます。

「作る」ことで、目で見て肌に感じて心に触れる。西陣の文化にも「作る」風習が根付いているから、ものづくりの人間である私は、居心地がいいと感じるのかもしれません。

磯村明見

特定非営利活動法人ANEWAL Gallery デザイナー/マネージャー磯村明見

京都市出身のグラフィックデザイナー。日本の老舗印刷会社と上海の広告代理店を経て本帰国後フリーに転身。NPO ANEWAL Galleryデザイナー兼マネージャー担当。京都建築専門学校広報担当。京都芸術デザイン専門学校非常勤講師。