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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2021.10.27
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「ゴールデンカムイ」という漫画にハマっている。明治時代の北海道を舞台にアイヌの少女・アシリパと日露戦争の帰還兵・杉元が出会い、共にアイヌ秘蔵の金槐を探す物語。何日も未開の大自然を野営で進んでいく中にアイヌの生きる知恵と技術が描かれている。狩猟採集を熟知したアシリパによって杉元は様々なアイヌのジビエを体験していくのだが、アシリパは「味噌」を知らなかった。アシリパは杉元が携帯して食べている味噌を見て「オソマ」(アイヌ語で「固形排泄物」)だと言って中々食べようとしないのだが、ついに観念して食べた時に「ヒンナ!」(アイヌ語で「美味しい」)と感動するのであった。

1年ほど前に「大徳寺納豆」を食べる機会があり、これにもハマっている。大徳寺の東側の通りに「大徳寺納豆」のノボリをよく見かけていて、関西なのに納豆が名物?と不思議に思っていた。実物を目にするといわゆる納豆ではなかった。黒い粒…大豆を麹菌で発酵させたもので、塩辛さと酸味、深いコクと風味が合わさってとても美味。チビリチビリと齧ってお酒のアテに最高なので常備するようになった。細かく刻んで料理の調味料にも使える。
見た目は完全にウサギのオソマ…しかしヒンナヒンナ!なのである。

小川 櫻時

映像監督小川 櫻時

長年様々な映像をを作る仕事をしています。東京、沖縄を経て2015年から京都市在住。近年は、クラフト作家や様々な手仕事をする人々にフォーカスした映像を制作・発表しています。映像空間演出ユニット「SAKKAKU」としても活動しています。