2021.09.10
Written By益田雪景
「蜂蜜」をただミツバチが採集した「花」の蜜としたり、くまのプーさんの大好物と捉えることに間違いはないかもしれないし、実際に僕も、蜂蜜は「花」の蜜で出来ていて、くまのプーさんがその蜜を愛してやまないと知っていた。でも、蜜を育む花を、単に「花」とだけ捉えるのはもったいないと言っていい。「百花繚乱」という言葉からも分かる通り、幾多もの「花」が世界で美しく咲いているからだ。
僕の好きな作家である太宰治は『女生徒』という作品の中で「花の美しさを見つけたのは、人間だし、花を愛するのも人間」であると書いた。「花」は、色とか、形とか、匂いとかによって、とにかく多様な分類をされている。そこで僕は考えた。もし本当に太宰の言う通りなのであれば、いろいろな花に由来する蜂蜜にもそれぞれの美しさや愛しさがあるのではないだろうか、と。
さて、ここまで「花」と「蜂蜜」についてだらだらと書いてしまったが、僕がこのコラムで伝えたいことは、ただ一つしかない。それは、西陣にある「蜂蜜専門店ドラート」に訪れてみてほしいということだ。そこに行けば蜂蜜の多様な美しさや愛しさに触れることができるだろう。
ライター益田雪景 オサノート
広島県出身。同志社大学在学中。大学ではボランティア支援室学生スタッフARCO及び新島塾2期生としても活動中。小説家は太宰治と遠野遥、映画は「劇場」と「ミッドナイト・イン・パリ」、音楽はgo!go!vanillasとB T Sが好きです。