2021.07.14
Written By山本萌加
今月はズバリお金事情についてです。西陣にも沢山のもの作り修行中の方がおられます。お給料は仕事それぞれだと思いますが、弟子が集まると大抵お互いのお給料の話になりがちです。昔からの徒弟制度では丁稚奉公が当たり前でしたが、今の時代、修行の身でも多少のお給料は皆さん頂いています。そうしなければ誰も入ってこないからです。しかし“1人暮らしは厳しい”程度なので皆さん悩まれています。因みに私の所は無給でした。生活費は修業の傍らのアルバイトと親からの仕送り。もちろんそれを理解した上での弟子入りでしたが、2.3年目になるとバイトもし休みなくこんなに頑張っているのに何故無給なんだとやるせ無い気持ちで一杯だった時期もありました。その度に仕事に対しての迷いも何度も生じます。仕事を継承する=続けるという事は色々な場面で覚悟を求められます。先代の方々も同じように必死になって守ってきた仕事なのだから当たり前と言えばそうなのですが。そしてもう一つ必要なものは周りの理解です。親からの支援、友人達にも沢山奢ってもらったり応援して頂きました。そうやって支えられてる人と仕事がある事を少しでも理解して頂けたら嬉しいです。
Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所 主任研究員山本萌加
武蔵野美術大学(工芸デザイン学科木工専攻)卒業後、眼鏡制作者七代目山ノ瀬氏に弟子入り。眼鏡制作の修行と、師と共に眼鏡ブランド〝Société Nouvelles Lunetts 視覚研究所〝の主任研究員てしてお店を運営しています。