西陣にまつわる
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高本昌宏

多拠点プランナー / ADDress 事業企画高本昌宏

学生時代に伏見と西陣に住んだことがきっかけで、京都では決してメインストリームではないかもしれないこの二地域に惹かれる。多拠点居住サービス立ち上げをしながら、2020年伏見移住。西陣にも同年から通い始め、魅力再発見中。

2023.01.25
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。
年始、晴明神社に家族でお詣りした際、上京区界隈を散歩したのだけれど母校のある今出川にも足を伸ばしてみることに。

新町通にある新町キャンパスの壁面にこんなレリーフがある。ここはかつて島津製作所が蓄電池を作っていた「日本電池発祥の地」だったのだ。現在GSユアサとして、EV市場を牽引する世界的なバッテリーメーカーの源流は西陣・今出川にあったというのは驚きだった。

1921年(大正10年)に建てられた日本電池株式会社の本社社屋「臨光館」はセセッション式外観にエレベーターや暖房設備まで備えた鉄筋コンクリート建築物としてこの地域のアイコンだったらしい。

この壁はその外装の一部を再現したものなのだけれど、ここに手を当てて往時のイノベーションを目指したひとたちの息吹を感じてみたいと思って目を閉じた。今は西大路でイノベーションを生み出しながら世界と闘っているGSユアサをはじめ京都発世界初の企業は多い。ぜひ今出川さんぽのついでにこの壁に手を当ててみてください。

2022.11.09
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。
西陣より少し南に下がった烏丸通沿いにある地元岡山生まれヒーローの神社〜護王神社をご紹介しましょう。

この神社、平安京建都を具申した和気清麻呂公を祀った社なのです。高尾山神護寺境内にあった社が明治天皇の勅命でこの地に遷座されたという変わった神社でもあります。

岡山和気町で生まれた清麻呂は姉広虫と宮廷で活躍、一方で道鏡の九州・宇佐八幡の「道鏡を天皇にせよ」という偽神託を買収に屈せず、暴きいて流罪に遭った際、足の腱を切られながら宇佐八幡に立ち寄った際にイノシシたちが現れて、清麻呂の輿を支えるように道教の刺客から守護した逸話が。40kmにも渡る道のりをガイドされるうちに清麻呂の足の傷も癒えたという奇跡を今に伝える社なのです。足腰の神様として人気のこの社、一時は羽生選手の絵馬だらけになってたこともあったなぁ。

足の痛みがなかなかおさまらなかったオカンの代理祈願で毎年参詣しているけれど、徐々に良くなってはいるようで来年も御参りするつもり。足腰の痛みがある方も、ない方も心静かに落ち着く素敵な場所なのでよかったら立ち寄ってみてくださいね。

2022.08.27
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。
このところのお仕事。岡山総社、佐渡、今治、藤枝、山形、八幡平と相変わらず多拠点でドタバタと動いていて京都になかなか帰れていない今日この頃なのです。

今月末に帰れたらいいなと思いつつ、帰ったら西陣で食べたいものを考えてみた。西陣鳥岩楼の親子丼や、ベジサラ舎の野菜定食、KéFUのあずきバタートーストやらがどんどん浮かんできて愉しいもののなんかが足りない?!なんだろうと考えていたら、学生時代に堀川上長町から通っていた同志社大学今出川キャンパス学食のこのメニューが本丸だった。ささみチーズフライ定食。略してささチー!これこそが僕にとっての西陣ソウルフード。

熱いサクサク衣にしっとりとしたササミ、そしてそこからいい感じにトローリと出てくるチーズ。そこにタルタルソースが絡んで絶妙な味わいを奏でてくれるのだ。これが確か一皿250円くらいだったのは驚きでもあった。今は少々値上げしているかもしれないけれど、コスパ最強メニューと言っても過言ではないだろう。いったい誰がこんな素敵なメニューを考えたのだろう。田辺キャンパスでも今出川でもおそらく楽しめる至高のB級グルメ。京都〜西陣に戻ったらまた食べに行こう。VIVA! ささチー万歳。

2022.06.20
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。
昨年春から「フェザンレーヴ」という東京人形町の小さな広告代理店に飛び込んで、デジタルで地域を元気にする仕事を会社の仲間と始めている。(ADDressとは複業〜パラレルワークってやつだ)この会社の創業者地元が山形なので、なぜか東京以外に唯一山形支社があって先週初山形仕事で入ることに。

OSANOTEの原稿書かなきゃな〜 でも最近西陣行けてないな!って思いながら、七日町という大正や昭和の風情溢れる素敵な街があるのだけれど、そんなことを思いながら歩いていた。

急に雨が降ってきたので一番近くにあったビルに飛び込んだら、目に飛び込んできたのが西陣博覧会の文字。あいにく開催は今週からということで気になって仕方なかったのだけれど、これを見ると現代の西陣の凄まじい技術がわかるのでぜひご覧いただきたい!

山形で西陣。新しさと伝統が交差しながら地域の文化が交わることって素敵だなあ。

2022.04.21
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。
春ははじまりの季節でもあり、別れの季節でもある。桜の花が満開な西陣、ADDress京都西陣B邸(KéFU)共同家守としてお世話になってきた中島崇裕さんが新しい出発をされることになったらしい。

中島さん、僕の地元の岡山で学生生活を送られて西粟倉での活動を経ての今までがあったことを連携の際に知ってびっくりしたものだった。世の中本当に狭いね。

彼の珈琲ワークショップをいつか受けたいと思っていたのだけれど、新たな出発先のRCホテル京都八坂で珈琲を淹れながら旅人のケアを開始されているとのこと。また京都に戻った際にはぶらり寄ってみようかな。(写真はちょっと照れながら珈琲POTを抱いてる中島さん@KéFU)

僕自身、西陣で出会ったひとを今年何人増やせるか?なかなか帰れてなかったけれど、これからのOSANOTEで触れていきたい。

2022.03.11
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。

西陣の範囲には諸説あるも南が中立売通より広めの丸太町通の場合(確か京都市の西陣活性化MAPではそうなっていた)、僕にとっての思い出深い西陣の聖地は室町通丸太町上るにある「風伝館」(アミタミュージアム)である。

今から3年前、スピンズで有名なヒューマンフォーラム岩﨑社長から紹介されて、アミタ会長熊野英介塾長が「心をつくる産業=Mindustry」 を創造し、京都から世界を変えるイノベータ育成する「A-KIND(あかいんど)塾」に通うことになったのだった。学ぶ内容は今までの活動領域(アドレスやソーシャルイノベーション研究所など)からもデジャヴで共感120%、最終課題の平安神宮模擬店出展では苦闘しながらも最低限の形にしたつもりだった。が、熊野さんからは君は全く分かっておらん!と叱咤され、悔しくて卒塾式の日にオッサンながら泣きながら丸太町通から京都駅まで歩いて帰ったことを忘れもしない笑

あれから3年経った。あの時熊野さんが言いたかったことを全国を奔走しながら噛み締めて活動している自分がいる。表向きだけ飾ったものは弱い。他人事ではなく自分事で真剣に吟味しお客様を幸せにするものを創り出せ。風伝館で学んだ大切な事と大切な仲間が今の僕のエンジンになっている。西陣よ、僕の人生を変えてくれてありがとう。熊野先生、叱っていただきありがとうございます。

2022.02.06
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。

ADDress西陣B邸でもあるKéFU(ケフ)stay&loungeで2021年からはじまった新年餅つきイベントは世代を超えるだけではなく地域をつなぐイベントでもある。

2020年冬にマネージャの横山恵さんが「こんなご時世だからこそ地域のみんなが笑顔になれ、元気になれることをしたい」と新年餅つきイベント企画を構想、Facebookで臼と杵を探しているという記事を見た時のこと。ちょうど伏見「田んぼラグビー」で餅つきしていた二人のスキンヘッドなオッサン顔が思い浮かんだ。(そういう僕も勿論オッサンだ笑)伏見つるりんズである。

伏見向島「宮本ファーム」の宮本直嗣さんのオーガニック餅米と特別養護老人ホーム「ヴィラ向島」の長田栄臣さんとこの石臼&杵。伏見つるりんズの協力で西陣お餅つきイベントでたくさんの笑顔が生まれることになった。2022年イベントは参加できなかったのだけれど、横山さん、伏見つるりんズはじめたくさんの関係者の尽力で西陣に笑顔が溢れるのは嬉しいなぁ。

僕の大好きな伏見と西陣。地域と地域がつながることで2022年も素敵な出会いや何か面白いことが生まれますように。

2021.12.27
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。

西陣を語る際に欠かせないのがやはり異界との結界としての側面。

高校時代に観た映画「帝都物語」(1988年)で「怪優」嶋田久作演じる加藤と共に描かれ衝撃的だったのが、陰陽道や式神の不思議な世界。その原点的聖地〜一条戻橋と安倍晴明を祀る晴明神社。(そういえばあの映画の脚本を書いたのは京都芸術大学映画学科でも教鞭を取られている林海象監督だった)

平安時代、安倍晴明が異界と交信をしたこの場所に千利休に屋敷を与えたのが天下一統を成し遂げた秀吉。境内の「利休井」の水で利休が供した茶を嗜んだ秀吉も陰陽道パワーを得ようとしたのかも知れない。利休はその後秀吉の逆鱗に触れて切腹、戻橋に梟首されてしまったのだけれど多数のスピ系女子の聖地と化している今の風景を見れば、利休も秀吉もびっくりするに違いない。

石鳥居に妖しくも鈍く輝く、「ドーマンセーマン」と呼ばれる五芒星を見る度に摩訶不思議な裏西陣の魅力をもっと知りたくなる。

2021.11.28
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。

幼い頃から大好きな風景〜夕陽が沈んだ後に訪れる街の黄昏時の風景。僕の岡山実家は、路幅が車1.5台分程度の狭いアスファルト街路の住宅地なのだけど、西陣の黄昏時、当時の懐かしい風景に出会えるのだ。暗くなればなるほど昭和にタイムスリップしたような懐かしさに包まれる。それは心地良くも、どこかそこはかとない不安や畏れに似た気持ちにもなる時間。遠くで犬がわお〜んなんて鳴いているのも風情があっていい。

映画「千と千尋の神隠し」で魑魅魍魎が跋扈する現実世界から歪んだ時空間に放り込まれる夕暮れシーンがあるのだけど、怖い反面つい惹かれてしまう光景でもある。黄昏時の語源が「誰そ彼どき」という急な暗がりですれ違う人の顔も不明瞭になるあの不思議な感覚。
それは日常のなかの非日常。これを味わえる贅沢なひとときが人生の楽しみでもある。

西陣の黄昏時、もしも僕とすれ違ったら声を掛けてくださいね!ひょっとしたらびっくりして逃げるかもしれないけれど(笑)

2021.10.29
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多拠点生活サービス「ADDress」のまっさんこと高本です。

多拠点暮らしではその地域で人との新しい出会いや、つながりが生まれることが嬉しいのだけれど、その狭間に新しい本と出会えることもまた嬉しい〜ADDressには「旅する本棚」という企画があって、企画連携している家ではそこで出会った本と一緒に旅することも出来たりもするのです。

西陣の「ADDressの家」でもある「KéFU西陣」、一階の本棚は上記企画とまた異なる独自の本棚があり、毎回滞在時に思ってもみない知的刺激の邂逅や発見に満ち溢れていて、楽しみのひとつ。

人気書店「恵文社一乗寺店」による100冊の選書は、旅や京都のオルタナティブ視点テーマ本、哲学本や絵本など様々ながらそれでいて「らしさ」が醸し出されていて面白い。滞在の度に棚の本は変わっていて偶然なる本と出会い、珈琲の薫りを愉しむ読書のひとときもまたお薦め。

今まで出会ったお気に入りの本たち。
「変なお茶会」(佐々木マキ)
「ひつじの京都銭湯図鑑」(大武千明)
「雪」(三好達治)

あなたのお気に入りの一冊は何ですか?またお目にかかる時、教えてくださいね。