2021.05.28
Written By亀村佳宏
長年便秘に悩まされてきた。
職業柄、パソコンへ向かうと、時間も忘れて夕方になるような不摂生な生活をしてきたので仕方がない。
そこで上京区で評価の高い“便秘外来”を検索して「上羽医院」に辿り着いた。昭和37年開業のようで、町の診療所のような医院だ。
中に入ると、近所の老人たちが看護婦さんたちと親しそうにお話をしている。この年になると、かかりつけのお医者さんを見つけるのも良いな、、、なんて老後を想像していると先生に呼ばれ、まず簡単に便秘のメカニズムを教わった。次にお腹を出してエコーで消化器を検査してもらう。
「胆嚢にポリープが2個ありますね。あと砂が溜まってるね。」「え?」。先生の物腰柔らかい口調で、聞き逃してしまいそうになったが、何やらただの便秘ではないようだった。
診察も終えて、待合室で落ち込んでいたら、目の前に何かよくわからない写真が額装して飾ってある。よく見たらバンクシーじゃないですか!えっ、なんで?普通はこういうところには、患者の心を癒す印象派とかですよね。って共感を求めて左右を見渡してもご老人ばかり。よくみたら、後ろの壁にもバンクシーのマスク看護婦。全然そんな雰囲気を微塵も感じさせない柔和な感じの先生だったので、気になって仕方がない。
そんなことを考えていたら、いつの間にか、心のザワザワは、別のザワザワに移り変わっていた。
西陣にきた際は、そんな気持ちを掻き立てる上羽医院に足を運んでみてはいかがだろうか。
映像ディレクター亀村佳宏
1978年に京都市(北区平野)で生まれ育ち、2002年、上京ののち、PV、スポット CM 制作を経て、撮影技術やコンポジット編集技術を習得。2009年に京都に拠点を戻してから、個人事務所で映像や写真の仕事をしております。趣味:卓球