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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2021.05.20
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新緑の季節だというのに、一向に気分が晴れません。
新型コロナウィルスの流行、いつになったら終息するのでしょうか。遠出もできないので、最近はもっぱら、静かな裏道を選んでご近所散歩をしています。

で、散歩していて感じたのは、変な表現だけど、京都ってお地蔵様の人口密度が高いんですねえ。
とくに西陣では、ひんぱんにお地蔵様の祠と遭遇します。通りすがりの路地の奥に、ひょっこりさん的に顔を覗かせた小さな祠を見て、ほっこりする(いやダジャレではなく)。
その祠も、木造のミニ仏閣風、コンクリート製、カラータイル貼り、ログハウス風、鳥籠みたいな柵に囲われたもの、時には妹島和代デザインか?と疑うようなモダンなのまであって、規格化されていないのが面白い。
また祠の位置も、軒下だけでなく、家の外壁と一体化したり、ブロック塀から顔を出したり、ひっそり公園の脇にあったり、変化に富みつつ、さりげなく街に溶け込んで、いかにもネイティブな佇まい。

せっかくなので、ひとつ無病息災をお願いしていきましょうか。
え、でも、なんて拝むのかな?と思ったら、提灯に書いてありました。「南無地蔵大菩薩」。

それでは、なむー。

曽我高明

ANEWAL Gallery現代美術製作所 ディレクター曽我高明

東京の下町・墨田区の向島で、長年展覧会やアートプロジェクトに取り組んできました。縁あって2017年より上京区に拠点を移し、ANEWAL Gallery 現代美術製作所(通称:現代美術製作所)をオープン。ゆるいペースで様々な活動をしています。