2021.08.28
Written By小川 櫻時
小学生の頃、ほぼ野球にしか興味がなかった。当時連載中だった高校野球マンガ「ドカベン」の影響によって将来は甲子園!と夢見て日々野球に励んでいた。「ドカベン」は、ずば抜けた才能を持つキャッチャーの山田太郎を擁する明訓高校野球部が強豪校を破り勝ち進んでいく物語。その山田とバッテリーを組むピッチャーはアンダースローで変化球を操りだす美少年・里中サトル。線が細くモテモテの彼は激戦の連投でヒジを痛めてしまうのだった…
西陣病院の北側、寺之内通りと廬山寺通りは良く通る細い道。この二つの通りの間には昔ながらの町家・長屋が連なっていて、まるで映画村のよう。ここのあたりの細道をジグザグと散歩するのが気に入っている。
何年か前にその辺りを散歩していた時、古い長屋の2階の簾に大きく書かれた「はり灸」の文字が目に入った。
蘇る記憶…「ドカベン」の里中サトルがヒジを痛め、様々な治療の末にたどり着いた「はり灸」によって奇跡の復活を果たし「サトルボール」という魔球を生み出したのだった。(うろ覚え)
「はり」と「お灸」?小学生当時はその恐ろしい治療法に驚愕したが、今ならわかる「効きそう!」だと。
そして今は各所調子が悪くなった時にこのはり灸・真陽堂さんに施術してもらっている。結果は「癖になる程、気持ち良い!」
そろそろ「サトルボール」も投げられるようになるはずである。
映像監督小川 櫻時
長年様々な映像をを作る仕事をしています。東京、沖縄を経て2015年から京都市在住。近年は、クラフト作家や様々な手仕事をする人々にフォーカスした映像を制作・発表しています。映像空間演出ユニット「SAKKAKU」としても活動しています。