2022.09.14
Written By山ノ瀬亮胤
【虫聴きの会】2022年9月11日は十六夜。秋はもうそこにまで来ていました。
京都市上京区の真ん中にある京都御苑。御所を中心にした公園で、明治の遷都により荒廃した公家達の屋敷跡を整備して出来ました。上京区は真ん中に御苑が鎮座するために、東西に大きく分断?された形となっていて、ここを横断するには相当な覚悟が要ります。
今宵、月の光が射す御苑で”虫聴きの会”が催されました。苑内には23種の虫たちの声が専門家の耳により確認されたとか。西洋では虫の音は単なる雑音のように認識されていると聞いたことがありますが、日本は古来からさまざまな虫の声を愛しむ独自の文化があります。
京都の夜はぜひ御苑を訪れてください。苑内のベンチに寝そべりながら望む空は、広くて宇宙に漂うような浮遊感。きっとそこには平安の古人と同じ月を眺める自分が居るはずです。
眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長山ノ瀬亮胤
京都市上京区在住。眼鏡制作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所々長。芸術~工芸に拡がる独自分野の構築で国内外より評価され欧州ハプスブルグ家御用達。マスメディアでの出演・取材多数。豊かな江戸庶民文化と職人の心を紹介している。