西陣にまつわる
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西陣にまつわる人々が、毎日綴るリレーコラムCOLUMN

2021.10.01
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西陣の名の由来は、応仁の乱で西軍・山名氏の陣の跡。戦乱を逃れ京都から離れていた織物職人たちが戻ってきて織物業を再開したことから、職人たちの住むエリア一帯を西陣と呼ぶようになったと言われている。

それに対して「東陣」と呼ばれるエリアはないのだが、東軍を率いた細川氏の屋敷跡の南にある、小川児童公園の一角には「東陣跡」の説明看板が置いてある。

さて、この公園。適度に距離を取ったベンチが配置されていて、昼休みとなると、ポツンポツンとベンチに腰掛ける老若男女。何をするでもなく人それぞれ、ぼんやりと休むのにちょうどいい公園だ。

私もたまに、その一人。

ある日もぼんやりベンチに座っていると、4人のお坊さんが列をなして、公園の中を斜め一直線、ザッザッザッと草履のいい音を立ててスピーディーに横切っていった。そして公園の敷地の外、角にあるお地蔵様へ何か唱えた後、そのまま通りを去っていく。

公園で休む誰も気には留めていない。のんびりとした時の止まった昼下がりを、さらに真空パックにしてそこに置いてけぼりにされた気がした私は、休憩時間を終えて公園を出る。静かに止まっていた時間を進める。

川原さえこ

もう一つの椅子川原さえこ

京都府長岡京市在住。フリーランスのリサーチャー、保育士。「もう一つの椅子」という名義でまちのランドスケープ(風景)研究を行う。東京下町から京都へ来て約1年。観光客でもなく京都の地元民でもない境界の視点でふらりと歩いたまちの景色を描く。