2021.08.18
Written By龍田 春奈
2021年夏。テレビの中で東京オリンピックが終わって、お盆がきて、大雨が降って、涼しくなった。長雨だったせいで、各地で土砂崩れが起き、川が氾濫し、いろんなものが流されていった。
今年は地蔵盆の集まりがなかった。去年もなかった。「このご時世で」人と集まる機会が激減し、しばらくになる。出口が見えない、というのが一番堪える。
京都のお盆は地蔵盆。うちの地域では、朝からお坊さんに来ていただいてお経を詠んでもらい、地域のみんなで数珠まわしから始まる。子どもの頃、この数珠まわしがけっこう楽しかったことをよく覚えている。一年にその日にしか見ない、長い長い数珠の輪。確か5メートルくらいあったと思う。ところどころに大きめの数珠があって、手元にその玉が来たときにだけおでこに近づける。お焼香するときの仕草に似てる。祈りのかたち。
あとはお菓子がいっぱいもらえたとか、福引きやらスイカ割り、夜の花火など、子どものための行事が行われた。近年では少子化の影響もあり規模も縮小されていたが、地域の大切な行事、なくなるのは寂しい。来年には再開できますように。と願うばかりだ。
咲里畑 届けびと龍田 春奈
1993年京都生まれ。西陣育ち。京都市西京区大原野「咲里畑」にて、季節の多品目の野菜、ハーブ、エディブルフラワーを、農薬や化学肥料を使わず育て、販売している。農ある暮らしの中に感じる豊かさを、人に届けることに喜びを見出しています。