何を隠そう私はタイ生まれのタイ育ち(9歳まで)でございます。
ということでしっかり今年の夏はタイに行って参りました。やっぱりタイはいいね!ということなのですが、程よいローカル感、ほど良い観光感を味わえたのがよかったかなと。
何もなさすぎたら面白くないけど過度な観光地化は何か違う、そう思う旅行客は多いのでないでしょうか。京都に置き換えたときにまさにそんな絶妙なバランスが取れていそうなのが西陣じゃないのかなとバンコクで大好きなタイ料理を食べながら考えておりました。
観光中心地にはない入り組んだ路地も多く個人店も多い、かと言って全く観光地がないわけではない。私はバックパックを担いで京都を訪れる観光客なら西陣らへん最高やんってなりそうだなと大好きなタイ料理を食べたいなと思いながらコラムを書いています。
メンバーMEMBER
風とCOFFEEオーナー森 風渡
2020年10月に"風とCOFFEE"を西陣京極にオープン。コーヒー屋には不向きとされる入り組んだ路地奥にて自家焙煎を行う傍ら、京都で1番ディープな路地(自称)である西陣京極に新たな風を吹かせるべく奮闘中。
なぜ西陣にお店を出そうとしたのですか?という質問に最近何度か答える機会があった。
今では当たり前のようにこの西陣がいい街と感じているが、最初は西陣織のイメージと電車でのアクセスが悪いというイメージくらいしかなかった。そもそも西陣の魅力に気がついたのは京都ゲストハウス木音さんに一ヶ月間滞在したのがきっかけであった。それがおそらく1日や2日ほどの滞在であれば気がついていなかったかもしれない。じっくりとゆっくりと過ごしたからこそ忙しなく過ごしていたら気がつかない良さに気がつき、いいお店がたくさんあり、いいお店がこの街を創っているように感じた。こんなところにこんなスポットがあるんだという新鮮な気づきに感動を覚えた。そして自分もそのピースになってみたいと。
そして西陣でのテナント探しが始まり今にいたりましたとさ。
西陣京極のお店がある町内と住んでいる場所の町内とでは近所の人たちの雰囲気が全然違う。当たり前ではあるのだけど、
2つの場所はわかりやすく
一方は映画館が立ち並んだり、ピンク街だったり…もう一方は昔からの西陣織の会社や地主の人が多くいるようなところ。
エリアによって何があった場所か、どんな店がある場所か。どのような歴史があったかによって雰囲気が大きく変わってくる。
個人的に店が街を創っていくと考えているので、これからの町内の歴史や雰囲気を創りあげる意味でも自店も重要なピースであると。
少しづつ街を創る優しい風を吹かせていけたらなと。(具体的に何やねん笑)
特にカオスな雰囲気の西陣京極は、何度も変化し歴史を重ねて味をだしている。
下駄の音、日本映画、ピンク街、飲み屋街。
味が出過ぎて近寄りにくいくらいに。
そんな色濃い場所がまた歴史を重ねるべく少しづつ変化しているように感じる。
若い店主の店が増えたり、クーポン件作ったり、HP作成も進んでいる。うちのとなりのとなりには20代前半のオーナーの店ができる予定。
変化をとげ歴史を重ね独特の雰囲気を創り上げるこの場所がまた味を濃くしていく。
楽しみ。
京都以外の人に店がどこにあるか聞かれる機会が何度かあった。
西陣らへんです。と答えても知らない人が結構多い。
もしくは西陣織が有名なところだよねと言われるくらいである。
とりあえず西陣が有名になればいいとは思わないが、
住んでみてわかる、この街にはいいところが結構ある。
自慢したくなるようなところがある。
西陣織以外にも「西陣って〇〇なところだよね」って多くの人に認知されるポテンシャルがあると思ってる!
西陣って素敵なお店が集結しているところだよねっていうイメージが浸透したらいいなとコーヒーを淹れながら思ったり思わなかったりラジ、、、
風とCOFFEEが店を構える西陣京極。
レトロな雰囲気漂う路地もこう見えて商店街組合が存在する。
西陣京極に店を出した当初は偏見で西陣京極自体は少し廃れていて、中の人たちもやる気はそこまでなく保守的な感じだと思っていた。
西陣京極会に加入して一年ほどたつが私のイメージは偏見で、実際は思っていたものとは違った。それぞれのお店が協力して少しでも西陣京極を盛り上げようとしていた。
西陣京極会が一体となって行う施策を企画したり、インスタグラムやフェイスブックでの発信を少しでもしていこうという動きが始まった。
ここ最近も新しく店舗が2店舗増え、他にも加入予定の物件や改装を行っているテナントもある。
ほんとに小さな商店街で大きなことは行えないが、小さな灯籠が少しずつ商店街を照らし新しい風を吹かせている。
西陣京極に漂う香りはコーヒーがほとんどを占めていた2021年。
時短営業要請を受け、西陣京極のほとんどの店が営業自体を行えない状況が続いていた。
(西陣京極内は居酒屋やバーがほとんどの為)
ようやく10月に入り、ただようコーヒーの香りに混じり、出汁の香りや油の匂いが嬉しそうに鼻をすり抜けるようになってきた。
看板とヨットのネオンだけが細々と明かりをを灯していたが、ポツポツと提灯が復活し西陣京極を少しだけ明るくしているのが、目に映る。
子供を叱る怒号が聞こえないほど、
店から楽しそうな声が聞こえてくるようになった。
決して煌びやかな路地ではないが、
小さなお店の灯火が創る素敵な路地だなと改めて。
少し前にクラブハウスというアプリが流行ったのを皆様は覚えているだろうか。
京都のカフェがテーマのトークルームでのやり取りがあった。
そのトークルームには京都内外多くのカフェ好きが集まり、オススメのカフェについて情報交換していた。
発言する機会があったので
私のオススメカフェを忖度なしで公表したのである。
鼻息を荒くして自慢のお気に入りリストを公表したが、聴衆の反応は冷ややかであった。
マニアックでローカルな店の羅列を後押しする森の説明の下手さが相まったのである。全然盛り上がらなかった。
あっ無難なところをオススメしとけばよかった。健気な24歳は自信を失った。
(誇張しています)
しかし今日お店にきたお客さんとの会話で小さなしこりがはれた
お客さんにオススメのお店を聞かれた森は、
ボロボロになりかけたお気に入りリストの埃をはらい、
かすれ声でオススメの店を紹介した。
冷ややかな反応に身構えたが、予想とは反しお客さんは喜ばれた。
そういうなかなか表に出ないようなお店とかを知りたかったんだよ!
マニアックなところいいね!と。
今度は盛り上がった!
そして森は自信を取り戻した。
そうだ!もっとオススメの店を話していこう!
西陣に住んでから気がついたことはいくつかあるが、
その中でも印象的なことの1つはチェーン店の少なさである。
✴︎肌感覚での話です。
いわゆるファストフード店だ。
以前住んでいた場所では牛丼屋、ハンバーガーショップ、居酒屋のチャーンがひしめきあっていた。
石を投げたらどこかしらのファストフードには当たるレベル感である。
しかしここ西陣では初見のファストフード店に行くためにはグーグルマップを駆使する必要すらある。
ふらっと入るというより探して自転車で移動してやっとたどり着くという感じだ。
住みにくい⁈
いや西陣にはファストフードを凌駕するほど個人店がひしめきあっている。
石ころを投げたらどこかしらの個人店に当たる。なんなら有名な店がそこら中にある。
個性豊かたなお店が街を支えているんじゃないかと思うほどに。
学生時代に西陣に住んでいたらもっと記憶に残るお店を見つけれていただろうなと。
実家を離れて大阪に下宿をしていた頃
近所の人との交流は皆無だった。
アパートという集合体にも関わらず、唯一のコミュニケーションはうるさいですというクレームのノックだけであった。
西陣に移り住み、小さな路地にお店を構えるいま、近所とのコミュニケーションは多種多用だ。
店の前の子供とは戯れあい、その子供に時折おじいさんが怒号をあげ、昔ながらの回覧板を回し、ダムダムとバスケットボールが跳ねる音を聞きながらコーヒーをいれ。
挨拶ついでに少しだけ会話をする。
当時の自分からしたらこの距離感は新鮮である。めんどくさいこともあるけどいいこともたくさんあるよ。近所とのコミュニケーションをとるのは昭和の話と思っていた学生時代の自分に教えてあげたい。
変わりゆく路地の中に
これからも変わらない昭和の香りが残るといいな。
ここ最近私は中華料理に情熱を注いでいる。
中華料理に関心が湧くにつれ自然と中華料理店が目につくことが増える。
そして気がつく、西陣は意外に中華料理店が多い。(森の想像より)
本格的な中華料理屋から地元のおばちゃんが切り盛りしているようなローカルな店まで。
それらを後押しするかのように千本中立売を下ったところには中華食材専門店すらあるほどだ。最近の感動は、外装は中華に見えない中華麺のお店が思いの外、本格的で美味しかったことである。
あそこの餃子が美味しかっただの、定食がよかっただの。
中華料理店を比較して巡ることに喜びを覚えている。
西陣中華料理開拓家の称号を我が物にする日はそう遠くないだろう。
テーマに沿って西陣を深掘りすることの楽しさを皆にも広げていきたい。
おすすめの中華教えてください!