遠くへ行くことだけが旅じゃない。
よく見知った街を歩いていても、はじめての出会いがあったりします。
少し緊張しながら足を踏み入れる高揚感。
新たな発見に喜びを感じる時間。
オサノートから、小さな旅をはじめませんか。
【今月の西陣フォト旅】
蜂蜜専門店 ドラート
▲路地の奥に入ると看板を発見。こんなところにお店があるなんて。
▲ズラっと並ぶ蜂蜜の瓶。見たこともない種類の蜂蜜がたくさんあります。
▲店内から見える路地の雰囲気も素敵ですね。
◆お店の方にお話を伺いました。
今出川通りから大宮通りを上がり二筋目を西に入ったところ、【三上家路地】の表札の奥には趣ある路地が続いています。路地の入り口の赤い看板には「路地の奥で営業中」。その言葉通り、石畳をあたたかい灯りまで歩くと窓の中には金色の瓶がずらり。見たこともないような種類の蜂蜜が所狭しと並んでいます。
どうしてこんな路地奥にお店を構えたのでしょうか。今回は、西陣屈指の人気路地に位置する【蜂蜜専門店ドラート 京都西陣本店】をご紹介します。お話を伺ったのは店長の花岡さんです。
▲10年前からドラートで働かれている店長の花岡さん
オーナー夫婦がこちらにお店を構えたのは約20年前。この場所が大変気に入って、当時は2階に住みながらお店を運営されていたそうです。なんと最初は蜂蜜ではなく、自転車を扱うお店だったとのこと(日本では初めての折り畳み自転車専門店)。蜂蜜と自転車って全然違うように思うかもしれませんが、実はある共通点が。どちらも自然環境を破壊しない地球に悪影響のないモノ、というのが根本にあります。
路地の奥という場所柄、お店を始めた頃はなかなかお店があることに気づかれず、お客さんがいらっしゃらなかったそうです。そこから少しずつ口コミで広がっていき、近所の方が買いにいらしたり、遠方の方が定期的に京都にいらっしゃるときに寄ったりなど、徐々に利用される方が増えたそうです。
この路地がアニメの舞台になったときには、アニメを観てお店にいらっしゃった海外の方もいるのだとか。京都の景色を生かしながら、地域に根付いた運営をされているんですね。
▲「LORO」というのは自転車屋さんの看板。今は上賀茂にお店を構えてらっしゃいます。
お店で販売する蜂蜜は、全て自分たちで瓶詰めをされています。それだけではなく、実際に世界中を飛び回って養蜂家さんを訪ね、美味しい蜂蜜を集めてらっしゃるとのこと。コロナ禍になってからはなかなか動けなくなってしまったようですが、これだけ多くの種類の蜂蜜が並んでいるのも納得です。
▲様々な種類の蜂蜜が並ぶ。
コロナ禍なので本当は試食はできないのですが、今回だけ特別に蜂蜜を試食させていただきました。
まずは花岡さん一押しのアボカド。
南国のトロピカルフルーツを思わせるフルーティーな酸味と華やかな香りが、なんとも贅沢な味わい。加工された蜂蜜にはない奥深い甘さを感じられます。何にでも合わせやすい万能な蜂蜜です。
次はアボカドとはまた違った特徴のある蜂蜜をいただきました。
パンやチーズ、ナッツやワインに合う、くりと冬蜜の蜂蜜。先程のアボカドとは打って変わり、黒褐色のほろ苦い風味が楽しめます。チーズやパン、ワインとの相性バツグン。食卓に欠かせない蜂蜜です。
そして、最後にKéFUのチーズケーキに合う蜂蜜を探すことに。
ブルーチーズが効いたケーキに合わせるのにオススメしてくださったのは、アーモンドの蜂蜜。コクのあるしっかりした風味とナッツを思わせる香ばしさのある大人の味です。どこかキャラメルソースのような風味も感じられます。
▲今はコロナ禍で試食はされておりませんが、特別に数種類の蜂蜜を試食させていただきました。ありがとうございます。
用途によって好みの蜂蜜を選んでいただけるのも専門店ならではの醍醐味ですね。「ドラートで働く前はスーパーで売っているものしか知らなかったけど、知れば知るほど奥深くておもしろいです。」と、店長の花岡さん。今回お伺いしただけでも、蜂蜜の今まで知らなかった一面を知ることができました。
是非お店に行ってお話しをしながら蜂蜜を選んでみてください。
▲綺麗な黄金色の瓶。
今後は自分たちでも養蜂をやりたいとのこと。蜂蜜にこだわった専門店が作る蜂蜜は、一体どんなお味になるのでしょうか。これからも楽しみにしています。
▲日常使いにもプレゼントにも。
【今月の当選者】
齋藤勇介 様