2021.07.17
Written By中島慶行
介護予防教室の参加者から、「認知症にだけはなりたくない」という声をよく聞きます。
でも、90歳以上の方の約60%が認知症というデータもあるくらい、認知症は珍しくない病気です。なので、認知症になることを前提とした生活様式や地域のあり方を考えていく必要がある、と、ずいぶん前から言われてきました。
認知症になっても、これまでと変わらず住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、地域の中で助け合える仲間の存在が大切です。
誰もが無理のない範囲で、ほんの少しの興味・関心を持って、自分にできることを考えるだけでも、世の中はもっと暮らしやすく、楽しくなると思っています。
そんな中、最近、「チーム上京!」なるものが動き出しました。
認知症の当事者の方と出会い、話し、それぞれの得意なことや関心を繋いで輪を広げていく取り組みです。そんな小さな輪が、このまちのあちらこちらに拡がることで、大きなうねりを生み出し、「認知症にだけはなりたくない」から、「認知症も悪くないよね」に変わっていったらいいなあ。
認知症にやさしいまちは、きっと障がい者にも、外国人にも、コロナ患者にもやさしいまちだと思います。
まずは、ほんの小さな一歩から。
京都市小川特別養護老人ホーム 施設長中島慶行
立命館大学大学院社会学研究科博士前期課程修了。 2009年より2年間、京都市小川特別養護老人ホーム副施設長兼京都市上京区地域介護予防推進センター長を務めたあと、伏見区の施設に異動。 2019年、京都市小川特別養護老人ホーム施設長兼京都市上京区地域介護予防推進センター長として復帰。 銭湯と牛乳とじゃこ天が好きです。